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オヤジビルディング

Oyaji Building

幼少期、洋裁業を営む母に連れられてよく有楽町へ出掛けた。母の用が終わると近くのビルのレストランで食事をするのが私へのご褒美であり、何よりの楽しみであった。
今でも当時連れられたビルに足を踏み入れると、あの時感じた高揚感が蘇ってくる。
私にとってビルというのは、オフィスの殺伐とした雰囲気のそれではなく、多くのレストランやショップに人が集う、楽しみの場というイメージが強い。
当時はキラキラと輝いていたビルは、昭和の時代を生き抜き、外壁は年相応にくすみ、ガラスウォールのようなな華やかさは無い。
しかしアール・デコやモダニズム等の時代を反映した個性的な姿には新築ビルには無い、オヤジとなったビルならではの魅力を感じる。
オリンピックを前に加速する再開発でこれらのビルが消えてしまう前に、私はひとつでも多くのオヤジビルディングを残していきたい。同じくオヤジとなった私は自分と重ね合わせるような思いで、これからの行く末を見守っていくつもりだ。

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